東京都心部の商業地を中心に、地価は2〜3年ほど前から上昇して来ました。国内外のリートやファンドといった買い手が証券化という名の下に収益物件をあさるように買ったのがその一因です。
景気が回復し、金融機関の運用難や金余りが顕在化し、金利は超低金利が続いており、不動産への融資姿勢が大甘になっていることもあるでしょう。
いわゆる不動産の利回りは2年ほど前までは、丸の内・銀座地区の超一等地でも5%前後と言われていました。それが昨年春過ぎから一気に下がり始め(元本価格は上昇します)九段にある旧日債銀のビルは3%台で取引されました。
不動産の利回りを決める大きな要因に長期国債の利回りがあります。1月31日現在で1.5%前後です。国債は日本国そのものですが、それでも1.5%ぐらいのクーポンが付けられて売られているのです。不動産の利回りはその保有リスク(地震、火事、家賃下落、空室、修繕費等々)を考え、国債と比較してどのぐらいその幅を(安全性)とっておくかと考えるのです。(これをイールドギャップといいます)一般的には国債より3%ぐらいは多めに見るのが妥当でしょう。(国よりは丸の内の不動産が3%ぐらいリスクがあると考えます)しかし、前例のビルは3%で取引されたということは1.5%しか、その差がありません。つまりそれだけ不動産の価格が強気になったということです。
この2%を価格に反映させると以下のようになります。
※年間家賃収入1億円のビルの価格(経費控除後とする)
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利回りが5%欲しいと考える投資家(でいいと思った売り手)
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1億円 ÷ 0.05 = 20億円で売買成立(平成15年当時) |
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利回りが3%欲しいと考える投資家(でいいと思った売り手)
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1億円 ÷ 0.03 = 33億円で売買成立(平成18年)
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この差は、なんと13億円、65%の値上がりです。
そしてこのことが、こんなものではない現実があります。
つい先日、都心部に多数ビルを所有するオーナー氏と話をする機会がありました。
「銀座の某地が3億5千万/坪で売れた。表参道の某地が2億円/坪で売れた。」とのこと。
そのオーナー氏は購入した人の名前も場所もわかるのですから、かなり信憑性のある話です。もうこうなると、利回りの概念などありません。たぶん貸しビルにしたら1%もないでしょう。きっと、持っていることの価値や、その場所でどのぐらい利益が上がるか(超ブランド品を売って)が買うポイントなのでしょう。
私の読みは、バブル崩壊以降一貫して「地価はもう上がらない。日本国にそんな力は残っていない。」と主張してきましたが、残念ながらはずれたとしか言いようがありません。私の意見を真に受けて買えなかった人には申し訳ありません。お詫びします。
しかしです。この価格はあの、先のバブルさえ(こう書くと先の大戦という天皇陛下のお言葉のような気がして…)も凌ぐほどの超弩級の価格ではありませんか。平成元年頃、鑑定士仲間と「銀座4丁目で2億かな?3億かな?」などと冗談交じりに話していましたが実際には、そんな高い事例はなかったはずです。
しかし価格高騰は都心商業地だけではないようです。青山・麻布・赤坂の3Aや、渋谷・目黒・松涛等の高級住宅地など、ファンドが喜びそうな地域は軒並み上昇です。
ここからは、参考程度にしてもらうだけで結構です。
成功体験が大きければ大きいほど、その成功が永久に続くような錯覚をおこす。
バブルで、どんな人がダメになったかを見ていればわかる。
2度目にやってきたバブルは、リートやファンドというお洒落な言葉なのでわかりにくい。
それほど悪性かも。
これは、行き着くところまで行くので崩壊する可能性が高い。
それは、ホリエモン事件・マンション強度偽装問題・ホテル偽装問題がその予兆として教えてくれている。
ここは高見の見物と洒落込んで、決して手を出してはいけない。(私も含めて)
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